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死亡後の手続き【04】介護保険の手続き一覧|保険料の支払い・還付と保険証の返却

ご家族が亡くなった後の介護保険では、必要な届出の有無、保険料の精算、介護保険証などの返却が主な確認事項です。

故人の年齢や要介護・要支援認定の有無、加入していた医療保険によって、手続きと確認先が異なります。介護サービスを利用していなかった場合も、保険料の精算は確認が必要です。

この記事では、対象者と窓口、保険料の支払い・還付、介護保険証の返却、介護サービス終了時の対応を順に解説します。還付金の相続税上の扱いについても整理しています。

目次

死亡後の介護保険で確認する手続きと窓口

死亡後の介護保険では、故人の年齢や要介護・要支援認定の有無によって、確認する手続きと窓口が異なります。

故人の状況主に確認すること確認先
65歳以上資格喪失に関する届出の要否、保険料の精算、介護保険証などの返却故人の介護保険を担当する市区町村
40〜64歳の医療保険加入者で、要介護・要支援認定を受けていた保険料の精算、介護保険証などの返却や必要な届出保険料は加入していた医療保険の窓口、介護保険証などは市区町村の介護保険担当
40〜64歳の医療保険加入者で、認定を受けていなかった医療保険の死亡後の手続きと、介護保険料を含む保険料の精算加入していた医療保険の窓口

必要な届出と担当する窓口を確認する

死亡届を提出した後、介護保険の資格喪失届を別に提出する必要があるかは、担当する市区町村へ確認してください。必要な届出と期限、介護保険証などの返却方法も、あわせて尋ねます。

通知書や介護保険証が手元にあれば、記載された発行元が連絡先の手がかりです。

施設への入所に伴って住所を移した場合は、「住所地特例」により、入所前の市区町村が引き続き介護保険を担当していることがあります。

死亡時の住所だけで判断せず、介護保険証に記載された保険者も確かめます。

書類がそろわなくても分かる情報で問い合わせる

問い合わせには、次の情報を分かる範囲で用意します。

  • 故人の氏名、生年月日、死亡時の住所、死亡日
  • 連絡する人の氏名、故人との続柄、電話番号
  • 手元にある通知書や介護保険証、分かれば被保険者番号

書類や番号が見つからなくても、まずは把握している情報を伝えて構いません。

納付書や還付通知が届いている場合は、納期限・返送期限も確認してください。期限が近ければ、すべての書類を探し終えるまで待たず、先に発行元へ問い合わせます。

保険料の支払い・還付と、介護保険証などの返却については、以下で説明します。

死亡後の介護保険料は支払い・還付を確認する

死亡後は、保険料の再計算により、不足分の支払いや納め過ぎた分の還付が生じることがあります。届いた通知や引落しの状況に応じて、必要な対応を確認してください。

以下は、65歳以上の第1号被保険者についての案内です。

40〜64歳の第2号被保険者は、介護保険料を含む保険料の精算を、加入していた医療保険の窓口へ尋ねます。

保険料は死亡日の翌日を基準に再計算される

65歳以上の第1号被保険者は、死亡日の翌日に介護保険の資格を失います。この日が「資格喪失日」です。

保険料は、資格喪失日が属する月の前月分までを対象に、月割りで再計算されます。

死亡日資格喪失日保険料の対象となる最後の月
5月15日5月16日4月分まで
5月31日6月1日5月分まで

月末に亡くなった場合は、死亡した月の分までが対象となる点に注意が必要です。

再計算した保険料と納付済みの額を比べ、不足があれば追加納付、納め過ぎであれば還付(返金)となります。

過不足がない場合もあるため、実際の金額は自治体から届く変更通知などで確かめてください。

資格喪失日と月割り計算の考え方は、奈良市の案内でも確認できます。

納付書・変更通知は対象期間と納期限を確認する

死亡後に納付書や変更通知が届いたら、対象期間、再計算後の保険料、納付済みの額、今回の請求額、納期限を確認します。

保険料の対象期間と、実際に納める時期は同じとは限りません。

例えば、8月が納期限でも、請求額が8月分の保険料だけを指すわけではないため、死亡後に届いたという理由だけで不要な請求とは判断できません。

対象期間が分からない、支払済みの額が反映されていないように見える、同じ期間の納付書が複数ある場合は、以前の通知書や領収書を手元に置き、発行元へ問い合わせてください。

期限までに確認が終わらないときは、その事情を伝え、納期限や支払いについてどう対応すればよいかを尋ねます。

納付時期と対象月の違いは、日野市の案内でも確認できます。

なお、相続放棄を検討している場合は、支払う前に、後述の「還付金の受け取りや相続・税金で判断に迷う場合」も確認してください。

還付通知が届いた場合の手続き 

還付通知が届いたら、申請書や請求書の提出が必要か、それとも手続き不要で振り込まれるのかを確認します。通知で確かめたいのは、次の項目です。

  • 申請する人と、必要な書類
  • 返送先と提出期限
  • 受取口座の名義などの条件と、振込予定時期
  • 未納の保険料への充当(未納分の支払いに充てること)の有無

記載がない、書き方が分からない場合は、発行元へ尋ねてください。すでに申請・返送している場合は、その日付を伝えると、受付や振込の状況を確認しやすくなります。

例えば西宮市では、納め過ぎがある場合、保険料変更通知書とは別に還付のお知らせを送り、還付金請求書への相続人の署名・押印と受取口座の記入、返送を求めています。

必要書類や手続きは自治体によって異なるため、実際には届いた通知と発行元の案内に沿って進めます。

なお、故人の介護保険料の還付金は、相続財産に当たります。誰が受け取るか、相続税や相続放棄との関係で判断に迷う場合は、後述の「還付金の受け取りや相続・税金で判断に迷う場合」を参照してください。

年金天引きが続いていたら停止・精算状況を確認する

年金天引きの停止には処理の時間がかかり、死亡後に振り込まれる年金からも介護保険料が徴収されることがあります。

春日市では、停止まで2か月程度かかると案内しています。

ただし、この期間は全国共通の期限ではありません。年金の振込日や、通知書に記載された介護保険料額を手元に置き、担当する市区町村へ次の点を尋ねてください。

  • 年金天引きの停止処理はどこまで進んでいるか
  • 死亡後に徴収された額は、保険料の精算にどう反映されるか
  • 追加納付や還付の通知は、いつ頃届く見込みか

年金側の処理結果を待って保険料を精算する場合もあるため、天引きが続いていることだけで二重払いとは判断できません。

年金に関する死亡後の手続きが済んでいるかも、年金事務所などへ確認します。

口座引落しが続いている場合の停止と精算 

口座からの引落しがある場合は、通帳や取引明細で、引落日、金額、摘要(取引内容の表示)を確かめます。

担当する市区町村への主な確認項目は、次のとおりです。

  • どの年度・納期の保険料か
  • 納付済みとして反映されているか
  • 今後も引落し予定があるか
  • 再計算後の追加納付や還付はどうなるか

口座振替を止める手続きや金融機関での対応が必要な場合は、手続先と方法を確認してください。年金天引きとは停止の仕組みが異なるため、口座引落しについては別に尋ねる必要があります。

保険料の対応とあわせて介護保険証などを返却する

保険料の確認とあわせて、故人に交付されていた介護保険証などの返却も進めます。

返却するもの、返却先、期限は、発行元の介護保険担当へ確認してください。介護サービスの利用や、ほかの手続きで内容を確認する予定がある場合は、返却する順序にも注意が必要です。

返すもの・返却先・返却時期を所管窓口で確認する

故人が交付を受けていた、次のような書類を手元で探します。

  • 介護保険被保険者証(介護保険証)
  • 介護保険負担割合証
  • 介護保険負担限度額認定証

負担割合証や負担限度額認定証は、すべての人に交付されているものではありません。

手元にあるものの名称と発行元を確かめ、何を返却する必要があるかを担当窓口へ尋ねます。

あわせて確認したいのは、持参する窓口、郵送の可否と送付先、返却期限です。

例えば葛飾区では、介護保険課や区民事務所での返却に加え、介護保険課への郵送も受け付けています。実際の返却方法は、故人の証を発行した自治体の案内に従ってください。

介護保険証などが見つからない場合は発行元へ問い合わせる 

介護保険証などが見つからない場合は、発行元へそのことを伝え、紛失の届出や返却に関する手続きが必要かを尋ねます。

例えば西宮市では、紛失などで証が手元にない場合、返却手続きは不要と案内しています。

返却するためだけに再交付を申し込む前に、発行元へ紛失時の扱いを確認しましょう。

参考:西宮市「被保険者の方がお亡くなりになった場合」

サービスの精算やほかの手続きで必要かを返却前に確認する

生前に介護サービスを利用していた場合は、介護保険被保険者証や負担割合証などを返却する前に、担当ケアマネジャーや利用事業所に、記載内容の確認が済んでいるかを尋ねます。

神戸市では、証の内容を最終確認してから返却するよう案内しています。返却後は証を返してもらえないため、確認を済ませておくことが大切です。

ほかの死亡後手続きで番号や記載内容を確認する予定がある場合も、返却前に発行元へ伝えてください。練馬区のように、返却期限を設けず、各種手続きが完了してからの返却を案内する自治体もあります。

必要な内容の確認を済ませ、発行元が案内する時期・方法で返却します。

介護サービスを利用していた場合は関係先にも連絡する

故人が介護サービスを利用していた場合は、担当ケアマネジャーや利用していた事業所・施設へ、亡くなったことを伝えます。

連絡の際に確認したいのは、次の内容です。

確認する項目主に確認する内容
サービス・契約の終了終了日、必要な書類、予定していた訪問・通所などの取消し
福祉用具などの貸与品借りている物、返却・回収の方法と日程、利用料の精算
預けている証や書類介護保険証などを預けているか、返してもらう方法
最終請求・精算請求の対象期間と金額、支払期限、返金の有無

借りている介護用ベッドや車いすなどがある場合は、貸与事業所へ返却方法や回収日を確認してください。

購入した物と借りている物を分けておくと、返す必要がある物を整理しやすくなります。

施設費や介護サービスの利用料の精算は、市区町村が行う介護保険料の精算とは別です。契約書や請求書を手元に置き、それぞれの契約先へ、残っている手続きを確認します。

還付金の受け取りや相続・税金で判断に迷う場合

介護保険料の還付や未納分の支払いでは、自治体での手続きに加え、相続や税金の扱いを確認する必要がある場合もあります。

特に相続放棄を検討している場合は、支払い・受け取りを進める前の確認が必要です。

還付金と未納保険料の相続税上の扱い

故人の介護保険料の還付金は、相続財産に該当します。国税庁も、死亡後に受け取る介護保険料の還付金を、相続財産として扱うよう案内しています。

還付額や振込日、受け取った人を記録し、ほかの相続財産とあわせて整理してください。

ただし、還付金があるだけで、相続税の申告や納税が必要になるわけではありません。ほかの財産や債務も含め、相続税の基礎控除額や適用する特例などを踏まえて判断します。

未納の介護保険料については、相続税の債務控除(遺産総額から一定の債務を差し引くこと)の対象になるかも確認します。

国税庁が示す基本的な条件は、死亡時に存在した故人の債務で、確実と認められることです。

未納額や対象期間が分かる通知書・納付書を保管し、控除の可否や申告の要否が分からない場合は、税務署へ確認してください。

相続放棄を検討している場合の支払い ・受領前の注意点

相続放棄を検討している場合は、故人の財産から保険料を支払ったり、還付金を申請・受領したりする前に、その影響を確認します。

相続財産を処分すると、単純承認(故人の財産と債務をすべて引き継ぐこと)をしたものとみなされる場合があります。

ただし、個々の支払いや受領の影響は、使う資金や行為の内容によって判断が必要です。

通知書や納付書を用意し、予定している支払方法や還付金の受取方法を具体的に伝えて、弁護士などへ確認してください。

すでに支払い・受領をしている場合も、それだけで相続放棄ができないと決めず、日付、金額、使った資金や受取口座を整理して伝えます。

まとめ|介護保険の精算・返却と必要な届出を確認する

死亡後の介護保険では、故人の年齢や認定の有無に応じて、必要な届出、保険料の精算、介護保険証などの返却を確認します。

保険料の確認先は、65歳以上では担当する市区町村、40〜64歳の医療保険加入者では加入していた医療保険の窓口です。

納付書や還付通知が届いたら、対象期間と期限、必要な手続きを確かめてください。介護サービスを利用していた場合は、証の返却前に内容の確認を済ませ、事業所・施設との契約終了や貸与品の返却、利用料の精算も進めます。

書類や番号がそろっていなくても、分かる情報で問い合わせて構いません。連絡日、回答、次にすることと期限を記録しておくと、残っている手続きを把握しやすくなります。

介護保険以外の死亡後手続きは、こちらで整理しています。


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