死亡診断書は通常、死亡届と一体になっており、市区町村へ提出すると手元に戻りません。
そのため、当センターでは、死亡届を提出する前に4~5枚を目安にコピーし、そのうち文字がはっきり読める1枚を控えとして残す方法をおすすめしています。
死亡診断書のコピーで今確認するのは2つだけ
死亡診断書のコピーを何枚用意するか決めるために、保険や年金、銀行などの必要書類を今すべて調べる必要はありません。
死亡診断書のコピーについて、今確認するのは次の2つだけです。
- ひとまず何枚用意しておくか
- 足りなくなったとき、手元のコピーから増やせるか
この2点が分かれば、死亡届を提出する前の準備はいったん進められます。手続き別の一覧は、後日、実際に保険や年金などの手続きを始めるときの確認に使用してください。
Q1.コピーは何枚用意すればよい?
全国共通の「正解の枚数」はありません。今は、「提出前に4枚〜5枚を用意し、そのうち文字がはっきり読める1枚を控えとして残す」と考えてください。
すでにコピーを数枚持っている場合も、読みやすい控えを1枚確保できていれば、この時点ですべての提出先へ連絡して追加枚数を決める必要はありません。
死亡診断書は通常、死亡届と一体になっており、市区町村へ提出した後は手元に戻りません。
ただし、提出後にコピーが足りなくなった場合は、次のQ2のとおり手元の控えから増やせます。
今は数枚と控え1枚を用意し、後日必要になった手続きだけ確認する方が、負担を増やさずに進められます。

Q2.手元のコピーを後からコピーして使ってもよい?
当センターの実務では、手元にある死亡診断書のコピーを必要に応じてさらにコピーし、相続手続きなどに使用しています。
大切なのは、氏名、死亡日時、死因、医師の記載など、書類の文字と内容がはっきり読み取れる状態であることです。再度コピーするときは、次の点を確認してください。
- 端が切れていない
- 文字が薄すぎたり黒くつぶれたりしていない
- 書類全体が写っている
- 保管用の読みやすいコピーを1枚残している
ただし、提出先から「医療機関が発行した書類」「所定の診断書」など、書類の様式や発行元を指定された場合は、その案内に従います。
ここまでで、今すぐ必要な確認は終わりです
死亡届を提出する前の準備は、次の状態になればひとまず一区切りです。
- 死亡診断書のコピーを数枚用意した
- そのうち、文字がはっきり読める1枚を控えとして残した
保険会社や銀行などへ今すぐ一斉に問い合わせる必要はありません。死亡届は、国内で亡くなった場合、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に届け出ます。
後半の一覧をすべて確認してから死亡届を提出する必要はありません。コピーを残したら、死亡届は期限内に提出します。
ここから先は、後日、実際の手続きを始めるときに戻って確認するための保存版です。
【保存版】死亡診断書のコピーなどが必要になることがある手続き一覧
次の一覧では、死亡診断書のコピーや、そのほかの死亡確認書類が必要になることがある主な手続きをまとめています。
すべての手続きで、死亡診断書のコピーが必要になるわけではありません。 実際に手続きを始めるときに、ご自身に関係する項目だけ確認してください。
| 手続き | 死亡診断書コピーの扱い | 確認先 |
| 生命保険・共済 | 死亡保険金の請求で必要になることがある | 保険会社・共済 |
| 年金 | 手続きによってコピーや別の証明書を使う | 年金事務所など |
| 健康保険 | 複数の死亡確認書類から選べる場合がある | 加入していた健康保険 |
| 勤務先 | 社内給付や退職手続きの書類は勤務先ごとに異なる | 勤務先の担当部署 |
| 銀行・証券 | 死亡診断書のコピーが一律に必要なわけではない | 各金融機関 |
| 住宅ローンなど | 団信の請求で死亡診断書等が必要になることがある | 借入先の金融機関 |
| 携帯電話・カードなど | 複数の死亡確認書類を使える場合がある | 各事業者 |
| その他 | 補償や契約内容によって個別に指定される | 請求先・契約先 |
生命保険の請求を始めるときは保険の項目、銀行の相続手続きを始めるときは金融機関の項目というように、必要になったところだけ確認すれば十分です。
死亡後の手続き全体を整理したい場合は、当センターの手続き一覧も参考になります。
生命保険・共済などの請求
死亡保険金の請求では、死亡診断書または死体検案書のコピーを必要書類として案内している保険会社があります。
ただし、必要書類は契約先や請求内容によって異なります。死亡診断書のコピーで手続きできる場合もあれば、保険会社所定の書類が必要な場合、条件によって一部の書類を省略できる場合もあります。
また、入院・手術給付などで案内される「診断書」は、死亡診断書とは別の書類であることがあります。
所定の診断書が必要なのか、領収書や診療明細書などで代えられるのか、請求する保険会社の案内を確認します。
死亡保険金や入院・手術給付で必要になる書類として、たとえば第一生命の場合では「ご提出いただく書類の例」で確認できます。
年金・健康保険・勤務先の手続き
年金、健康保険、勤務先では、必要になる書類がそれぞれ異なります。
年金:遺族厚生年金では、市区町村へ提出した死亡診断書等のコピーや、死亡届の記載事項証明書が案内されています。
遺族厚生年金の必要書類は、日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」で確認できます。
一方、亡くなった方が年金を受け取っていた場合の届出では、戸籍や住民票の除票などを使えることがあり、マイナンバーの収録状況によっては届出自体が不要になる場合もあります。

健康保険:埋葬料・埋葬費では、申請する人や状況によって必要書類が異なります。死亡診断書等のコピーのほか、埋火葬許可証や戸籍などを使える場合があります。
協会けんぽの場合の必要書類は、協会けんぽ「健康保険埋葬料(費)支給申請書」で確認できます。
勤務先:退職手続きや社内給付、福利厚生などで必要になる書類は勤務先ごとに異なります。
ここで挙げている手続きのために、役所へ提出した死亡届の原本を用意し直すわけではありません。実際に手続きを始めるときに、必要な書類の名前を確認してください。
銀行・証券などの相続手続き
銀行や証券会社では、亡くなったことを連絡したあと、相続手続きを進めます。ただし、死亡診断書のコピーがすべての金融機関で必要になるわけではありません。
相続手続きでは、戸籍謄本、法定相続情報一覧図、印鑑登録証明書、遺言書、遺産分割協議書などを求められる例があります。必要書類は、取引内容や相続方法、金融機関によって異なります。
そのため、まず金融機関へ連絡し、案内された書類を確認します。死亡診断書のコピーを求められた場合は、手元の控えから用意すれば足ります。
なお、住宅ローンなどでは、団体信用生命保険(団信)の請求で死亡診断書等が必要になる場合があります。借入れがある場合は、金融機関へ死亡を伝え、団信への加入状況と必要書類を確認してください。

銀行口座の相続手続き全体は、こちらで確認できます。
携帯電話・カードなどの解約・承継
携帯電話、インターネット、クレジットカードなどでは、亡くなったことを確認するための書類が事業者ごとに決められています。
たとえば通信事業者では、戸籍、住民票の除票、死亡届、死亡診断書、火葬許可書などのうち、いずれか1点のコピーで手続きできる例があります。
つまり、死亡診断書のコピーだけが唯一の選択肢とは限りません。
使える書類は事業者によって異なるため、解約や承継の手続きを始めるときに、どの死亡確認書類を使えるか、コピーでよいかを確認してください。
そのほか死亡・死因の証明が必要な手続き
事故に関する補償、団体の給付、海外に関係する手続きなどでは、死亡や死因を証明する書類を個別に求められることがあります。
案内に「診断書」「死亡証明書」「原本」などと書かれていても、死亡診断書を指しているとは限りません。医療機関や保険会社が用意した別の様式を指している場合もあります。
このような手続きが必要になったときは、請求先へ「何という書類が必要なのか」を確認してください。該当する手続きがなければ、今の段階で調べる必要はありません。
提出先から「原本が必要」と言われたら?
「原本が必要」と案内されたら、まず何という書類の原本が必要なのかを確認します。
市区町村へ提出した死亡届は手元に戻りません。そのため、「原本が必要」と聞いただけで、死亡届そのものを探したり、死亡届の内容を証明する書類を取りに行ったりする必要はありません。
提出先が求めているのは、別の書類である可能性があります。
- 医療機関が発行する診断書や証明書
- 保険会社などの所定の診断書
- 戸籍謄本や住民票の除票
- 死亡届の記載内容を証明する書類
- 入院や治療内容を証明する診断書
提出先には、
「原本とは、何という書類でしょうか。死亡届はすでに市区町村へ提出しています。死亡診断書のコピーや、ほかの書類で代えることはできますか。」
と確認すると分かりやすいです。

なお、死亡届の記載内容を証明する書類は、必要になれば誰でも自由に取得できるものではありません。
請求できる人や理由に条件があるため、提出先から必要書類として指定された場合に、取得できるかを確認します。
手続きを始めるときに確認する4項目
後日、保険や年金などの手続きを始めるときは、その手続きについて次の4点を確認します。
1.必要な書類の名前
「診断書」「原本」だけではなく、何という書類が必要なのかを確認します。
2.コピーでよいか
コピーで提出できるのか、原本が必要なのかを確認します。
3.ほかの書類で代えられるか
死亡診断書以外に、戸籍や住民票の除票などを使える場合があります。
4.必要な枚数と返却の有無
何部必要なのか、原本を提出する場合は返却されるのかを確認します。

すべての提出先へ一度に問い合わせる必要はありません。その日に始める手続きについて、この4点を確認すれば十分です。
死亡届を提出済みでコピーがない場合
死亡届を提出した後に、死亡診断書のコピーを取っていなかったことに気づいても、すぐに証明書を取りに行ったり、病院へ再発行を依頼したりする必要はありません。
まず、書類を提出する相手に次の2点を確認します。
1.死亡診断書のコピーが本当に必要か
2.戸籍や住民票の除票など、ほかの書類で代えられないか
手続きによっては、死亡診断書のコピー以外の書類で死亡の事実を確認できる場合があります。たとえば年金の手続きでも、住民票の除票や戸籍抄本などが使える場合があります。
ほかの書類では代えられず、死亡診断書が必要だと分かった場合は、発行した医療機関へ再発行について問い合わせます。費用などについては医療機関によって異なるため、先に確認が必要です。
また、死亡届の記載内容を証明する書類も、自由に取得できる万能な代替書類ではありません。提出先から必要だと案内された場合に、請求できる人や理由、請求先を確認します。
自治体の案内例として、千葉市「戸籍の届書内容証明書(記載事項証明書・情報内容証明書)がほしいとき」では、請求できる人や取得理由などが案内されています。
参考:千葉市「戸籍の届書内容証明書(記載事項証明書・情報内容証明書)がほしいとき」
まとめ|今は目安で用意し、必要なときに一覧へ戻る
死亡診断書のコピーについて、死亡届を提出する前に行うことは多くありません。
- コピーを4~5枚目安に用意する
- 文字がはっきり読める1枚を控えとして残す
- 足りなくなったら、手元の控えから増やす
- 提出先から書類を指定された場合は、正式名称と形式を確認する
コピーが足りなくなった場合は、手元の控えから増やせます。今の時点で、保険会社や銀行などすべての提出先へ必要枚数を確認する必要はありません。
実際に手続きを始めるときに、保存版一覧から該当する項目を確認し、死亡診断書のコピーが必要か、ほかの書類で代えられるかを確認してください。

