これまで、不動産は財産でした。
土地は値上がりするもの、誰しもが権利を守るために、相続があればすぐに登記をおこないました。
しかし、今では、
- 不動産を相続しても売れない
- 固定資産税、管理維持費など、費用ばかりかかる
- 相続登記するにも費用がかかる
- 不動産は相続したくない
いらない土地が放置され、所有者不明となったり、
年数が経過したために相続人が多数となり、事実上登記ができない土地が増加しました。
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令和6年(2024年)4月1日より、相続登記が義務化されます
所有者不明土地問題解決のため、これまでは権利であった相続登記が、義務になります。
(参考 法務省ホームページ)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
- 相続開始があったとき、または相続開始を知ったとき、
- かつ、故人が不動産を所有していたことを知ったとき、
から、3年以内に相続登記をしなくてはなりません。
上記は、遺言書などによる遺贈にも適用されます。
期限を過ぎると最大10万円の過料
正当な理由なく、申請義務を怠ったときは、10万円以下の過料が適用されます。
注意が必要です。
遺産分割協議がまとまらない、不明な相続人がいる、相続登記ができないときはどうする?
不動産を相続するものを特定できないときは、“とりあえずの相続登記” を3年以内にしなくてはなりません。
その後、正式に不動産を相続するものが確定したら、改めて “正式な相続登記” をおこないます。
法定相続分での共有登記
各相続人の法定相続分に応じ、共有登記をおこないます。
たとえば母、兄、弟の3人が相続人となるときは、母1/2、兄1/4、弟1/4 で相続による共有登記をとりあえずおこない、
後日、遺産分割協議が成立したら、改めて正式な相続登記をおこないます。
相続人申告登記
とりあえずであっても、相続人全員を登記するのは大変なときがあります。
しかし、3年を経過してしまうと、罰則がかかります。
罰則を避けるために、自分だけでも義務を履行したいというときは、
法務局に対し、自分が相続人の一人であることを申し出れば、義務が免除される制度です。
- 故人が亡くなったこと、
- 自分が相続人であること、
これらが分かる範囲の戸籍謄本を準備して、法務局に申請すれば、申請者は相続登記義務を履行したことになります。
過去の相続にも適用されます。
令和9年(2027年)3月31日までに登記を!
今回の改正は、改正後に発生する遺産相続だけではなく、
- 今すでに発生している相続、
- 改正日前に発生する相続、
にも適用されます。
この場合は、法律施行から3年以内の相続登記申告が必要になります。
- 令和6年(2024年)4月1日以降の
相続発生、または知ったときから3年以内 - 令和9年(2027年)3月31日
いずれか早い日が、相続登記の期限となります。
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