作成日 2021年2月26日,執筆者 行政書士 阿部 勉
お身内を亡くされたとき、ご葬儀などを終えられた後も、ご遺族には多くの相続手続きが発生します。
ここでは、ひとつずつ順を追って、ご家族がおこなわなければならない、死亡後・葬儀後の手続きをご説明します。
銀行預金の解約、遺産目録の作成、遺産分割協議、不動産の売却処分など、
遺産整理 についてはこちらをご確認ください
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市区役所の手続き
住民票![]() | 世帯主変更届 |
14日以内 | |
世帯主が亡くなり、残される世帯員が2名以上のとき、 新たに世帯主となる方を届出ます。 残されるご家族がお一人のときは、 自動的に変更されるので届出は不要です。 |
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戸籍![]() | 復氏届 |
期限なし | |
配偶者が亡くなられた後、 旧姓に戻すときに申請します。 |
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姻族関係終了届 | |
期限なし | |
配偶者が亡くなられた後、 配偶者の親族との姻族関係終了を希望するときに申請します。 |
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国民健康保険 (後期高齢者医療保険) ![]() | 資格喪失届 |
14日以内 | |
健康保険証 (後期高齢者医療保険証) を返却します。 |
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葬祭費 | |
2年以内 | |
ご葬儀の領収書を提出すると、 5万円、7万円などの費用が喪主に支払われます。 |
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勤務先の健康保険![]() | 資格喪失届 |
5日以内 | |
年金事務所などに健康保険証を返却します。 勤務先が対応してくれるときもあります。 |
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埋葬料 | |
2年以内 | |
ご葬儀の領収書を提出すると、 5万円、7万円などの費用が喪主に支払われます。 |
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健康保険![]() | 高額療養費 |
2年以内 | |
高額な医療費を支払っていた場合に、 払い戻しが受けられます。 |
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介護保険![]() | 資格喪失届 |
14日以内 | |
介護保険証が交付されていた場合は、 返却し、介護保険料の精算などをおこないます。 |
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マイナンバーカード![]() | 返却 |
期限なし | |
返却しなくてもよいとしている市区町村もあります。 |
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印鑑登録カード、障害者手帳 など![]() | 返却 |
すみやかに | |
印鑑登録は死亡と同時に抹消されます。 |
年金の手続き
年金受給権者 死亡届 ![]() | 国民年金 |
14日以内 | |
年金の支給を停止しますが、 死亡届を提出すれば、 自動で年金は停止します。 |
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厚生年金 | |
10日以内 | |
年金の支給を停止しますが、 死亡届を提出すれば、 自動で年金は停止します。 |
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未支給年金の請求![]() | 5年以内 |
本来支給されるはずの年金が、 亡くなられたために受給できなかったとき、 生計同一であった遺族が受給できる場合があります。 |
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遺族年金![]() | 国民年金 |
5年以内 | |
亡くなられた方に、 生計同一であった18才未満の子があるときに、 支給される場合があります。 |
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厚生年金 | |
5年以内 | |
亡くなられた方に、 生計同一であった妻、 または55才以上の夫、 18才未満の子、 高齢の親などがあるときに、 支給される場合があります。 |
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死亡一時金![]() | 国民年金 |
2年以内 | |
年金受給前に亡くなられたときなどに、 生計同一であったご遺族に、 支給される場合があります。 |
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寡婦年金![]() | 国民年金 |
5年以内 | |
夫を亡くされた60~64才の妻に、 支給される場合があります。 |
公共料金などの手続き
※電話、またはホームページから手続きをおこないます。 ※継続するときは、今後の自動振替やカード払いなども設定します。 |
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電気![]() | 近年の自由化で、さまざまな電力販売会社がありますので注意が必要です。 |
ガス![]() | プロパンガスの場合は、 個別の契約会社に連絡します。 |
水道![]() | 市区町村の水道局へ連絡します。 |
NHK![]() | 同一人が複数契約をされる場合、 割引制度が利用できる場合があります。 |
NTT(固定電話)![]() | 利用しない場合、 休止させることができます。 |
携帯電話![]() | ショップ店頭で手続きをおこないます。 |
来店予約をしておくとスムーズです。 | |
遺族または継承する本人が 店頭へ行かなくてはなりません。 |
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死亡届、戸籍謄本、住民票など、 死亡の事実と親族関係、 ならびに店頭へ行かれる方の ご本人確認を証明する書類が必要になります。 |
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ケーブルテレビ![]() | 個別に契約内容が異なります。 継続するもの、解約するものなど、 事前にご家族でご確認されておくとスムーズです。 |
インターネット![]() | 光回線を利用されている場合、 プロバイダ契約が別になっている場合があります。 |
ご契約時の書類があれば、 お手続きがスムーズです。 |
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クレジットカード![]() | 各クレジットカード会社に 連絡します。 |
年会費無料のカードであっても、 そのままにして不正利用などが あると困りますので、 解約されるほうがよいでしょう。 |
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何らかの継続課金される 契約がある場合は、 カード解約後でも請求が 続く場合がありますので、 別途そちらの解約手続きも必要です。 |
銀行の手続き
普通預金、定期預金、外貨預金、出資金![]() | 金融機関へ死亡連絡し、凍結された後、 故人の出生から死亡までの戸籍謄本、 相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書を準備し、 金融機関所定の用紙へ相続人全員が署名押印することで、 故人の口座を解約または名義変更します。 |
外貨を日本円へ換金するときは、手続き時の為替レートが適用されます。 | |
国債![]() | 普通預金等と同じ手続きをおこないます。 |
満期前に解約すると、本来得られるはずの利息が失われます。 | |
投資信託![]() | 普通預金等と同じ手続きをおこないます。 |
換金するときは、解約手続き時の価格が適用されます。 |
株、証券口座の手続き
株、投資信託など![]() | 証券口座に保管されているときは、 証券会社で手続きをおこないます。 |
紙の株券をお持ちのときは、 信託銀行等で手続きをおこないます。 |
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いずれの場合でも、株を移管するための相続人の証券口座が必要です。 | |
お持ちでないときは、新たに口座を開設します。 |
生命保険の手続き
生命保険![]() | ご契約の各保険会社に連絡し、 故人の死亡診断書、除籍謄本、相続人の戸籍謄本、 印鑑証明書など、必要書類を準備し、申請します。 |
医療保険、入院保険などに加入されているときは、 かかられていた病院で、診断書を発行してもらいます。 診断書の書式は、各保険会社指定の書式を使用してください。 |
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受取人の指定がある死亡保険金は、 遺産分割の対象になりません。 |
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相続税の計算については、 相続人1人あたり500万円の生命保険控除がありますが、 生命保険金はみなし相続財産となりますので、 いったん遺産総額に計上して、 その後、控除するという計算になります。 |
自動車の手続き
普通自動車![]() | 陸運局 |
故人と相続人のご住所が同じなら、 車庫証明不要、 ナンバープレートも変更不要。 ご住所が異なるとき、 住所地近辺での車庫証明書が 必要になります。 管轄が変わるときは、 ナンバープレートも変更になります。 |
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軽自動車![]() | 軽自動車検査協会 |
お住いの地域によっては、 車庫証明が不要です。 |
不動産の相続手続き
不動産![]() | 法務局で相続による名義変更登記をおこないます。 故人の出生から死亡までの戸籍謄本、 相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、 誰が不動産名義を取得するかを記載した遺産分割協議書、 新しく名義を取得する方の住民票、などを添えて、 登記申請をおこないます。 |
マンション![]() | 管理組合へ、所有者変更、 今後の管理費・修繕積立金等の支払い口座の変更、 駐車場契約の変更などをおこないます。 |
賃貸不動産![]() | 不動産を大家として貸しているときは、 借家人に対し、所有者変更の連絡、 賃貸契約の変更などをおこないます。 |
田・畑![]() | 地元の農業委員会に対し、 登録者変更などをおこないます。 |
公営住宅・公団・民間賃貸物件等![]() | 貸主に対し、故人の死亡連絡と、 今後の契約関係について協議します。 同居人や親族へ入居契約を継続できるかどうかは、 各機関の規約や当初の契約内容などにより異なります。 退去をおこなうときは、 家財をすべて撤去し、 鍵の返還、敷金の精算などをおこないます。 |
住宅ローン![]() | 団体信用生命保険に加入されている場合は、 以後の支払いが不要になりますので、 住宅ローンを契約している金融機関で手続きをおこないます。 団体信用生命保険未加入で、 住宅ローンの残債があるときは、 原則として一括返済をおこないます。 一括返済が難しいときは、 相続人が新たにローンを設定することになりますが、 資産内容や収入状況などが審査され、 可否が判断されます。 当然に、今までの通りのローン支払いを継続できる訳ではありませんので、 注意が必要です。 |
相続放棄について
相続放棄![]() | 3ヶ月以内 |
故人の住所地の家庭裁判所 | |
多額の負債を残されているとき、 他相続人へ相続させるために ご自身は相続放棄されるときなどは、 家庭裁判所で正式な相続放棄をおこないます。 |
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申請期限は、死亡のとき、 または死亡の事実を知ったとき、 もしくは多額の負債や財産があることを知ったとき、 などから起算します。 |
相続税の申告
相続税の申告![]() | 10ヶ月以内 |
故人住所地の税務署 | |
基礎控除 3,000万円 + 相続人1人あたり600万円 上記の計算額を超えるご資産を 故人がお持ちの場合に、 相続税の申告と納付が必要になる場合があります。 |
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申請期限は、死亡のとき、 または死亡の事実を知ったときから起算します。 知ったときを起算とする場合は、 その事実を証明する書類等が必要です。 |
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遺産総額は、預貯金、生命保険、不動産など、 すべてを金銭換算した合計額から判断します。 |

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