故人が所有していた土地や家、建物などの不動産は、相続人に相続されます。
自宅(一戸建て、マンション)、農地、畑、山林、収益マンション、収益ビルなど、その用途によって不動産相続が複雑になります。
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【前半】
【後半】
自宅の不動産相続
相続人が複数いる場合、現金の遺産分割は簡単ですが、不動産はなかなか分けることができません。
- 代表的な不動産相続の方法
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- 法定分割・・・法定相続分どおりの比率で共有する方法。
- 代償分割・・・相続人の一人が代表して不動産名義を相続する代わりに、ほかの相続人へは持分に応じた評価額相当の代価(おもに現金)を交付する方法。
- 換価分割・・・不動産を売却し、その売却代金を全相続人で分割する方法。
自宅でも農地でも、不動産はすべて、遺言書か遺産分割協議書がなければ、法定相続分どおりに相続され、相続人全員の共有になります。
不動産を共有財産にしてしまうと、あとあと面倒になりやすいので、なるべくなら相続人の誰かが代表して名義を取得するほうが良いでしょう。
なお、配偶者とお子様がいらっしゃる場合で、いったん配偶者が不動産を相続する、というケースも多いですが、遠い将来、配偶者の方にご不幸があると、再度、お子様への相続手続きが必要になります。二次相続といいます。
ただし、相続税は、配偶者が相続した場合、配偶者控除があります。
ひとまず今回の相続税を回避する、という意味では有効な手段ですが、こちらも二次相続の問題がありますので、慎重な対応が重要です。
配偶者が不動産を取得することに、特に理由がないのであれば、先にお子様へ名義を相続されるほうが、実務的には簡略されることになります。
父が亡くなり、母と子が相続人のときに、父名義の自宅を母が不動産相続して、その代償金を子に支払います。通常、母から子へ多額の金銭が付与されると、贈与税の対象になりますが、不動産相続の代償として支払ったということであれば、贈与にはあたりません。
代償分割の実務
不動産を取得する相続人が、ほかの相続人へ代償金を支払うことを代償分割といいます。
代償金を求める基準となる不動産評価の方法は、おもに4種類あります。
|固定資産税評価額|
不動産所在地の市役所が管轄しています。毎年の固定資産税を計算するための評価額です。
不動産を評価する金額の中ではもっとも低いため、不動産を取得する相続人には有利ですが、代償金を受け取る相続人には不利となる評価額です。
金額が明確で、利用しやすいというメリットがあります。
|路線価格|
国税庁が管轄しています。相続税課税価格を計算するための評価額です。
固定資産税評価額よりも高額なため、代償金を受け取る相続人には有利ですが、不動産を取得する相続人には、やや不利となる評価額です。
相続税評価の基準に使われる価格のため、公平性は高いといえます。
金額の計算が複雑で、計算する税理士や利用する計算方法により、価格が変わることがよくあります。
|公示価格|
国土交通省が管轄しています。不動産鑑定士の鑑定に基づき、土地の公正価格として、毎年公表しています。
個別の物件を評価する方法ではないため、代償分割をはじめ、相続のための評価額には適しません。
|実勢価格|
実際に売買取引される価格です。一般的には、路線価格より20%ほど高額であるといわれますが、近年の不動産価格の高騰もしくは下落により、その不動産が所在する地域による格差が大きくなってきました。
不動産会社などが査定書を作成しますが、不動産は流動性が低く、購入希望者がいて初めて決定される価格ですので、代償分割のための評価額として利用することは難しいかもしれません。
以上のように、不動産価格は評価方法が複数あり、また遺産相続の法律では、どの評価額を使用するという決まりがないため、相続人全員の話し合いで評価額を決定することになります。
各相続人が自身が有利になるような評価ばかりを主張すると、遺産分割が進まず、停滞することになりますが、そもそも正解がないお話ですので、お互いを尊重し、価格を決定していくしかないというのが代償分割の実務となります。
相続人に未成年者がいるときはどうする?
父が亡くなり、母と子が相続人のときに、子がまだ未成年のときは、手続きが複雑になります。
自宅の場合であれば、未成年の子に持たすよりも、母が名義を持つほうが多いですよね。
そうすると、手続き上は、母と未成年の子との間で遺産分割協議をおこない、自宅の名義は母が持つ、ということを話し合ったという趣旨の書類(遺産分割協議書)が必要になるのですが、未成年の子は自分で協議をおこなう判断能力が低いとされますから、代理人が未成年の子に代わって協議をおこなうことになります。
通常の法律行為(契約の締結など)であれば、親権者である父母が、子の法定代理人として、子の代わりに行為をおこないます。
しかし、遺産分割協議においては、母と子が話し合うことになるので、母が一人二役となってしまいます。
そこで実務上は、子のために、母以外(相続人以外)の第三者を、子の代理人として用意します。特別代理人といいます。
子の住所地の家庭裁判所へ、相続の事情と、特別代理人の候補者を申し立て、その候補者を特別代理人として認めてもらいます。(参考 裁判所ホームページ)
特別代理人が選任されれば、その方と母とで遺産分割協議をおこなうことになります。
特別代理人には、法定相続人でない親族の方や、行政書士などの専門家が就任することができます。
相続人の中に未成年の子がいる場合は、自宅や収益マンションなどの不動産に限らず、金融機関の手続きにおいても、特別代理人が必要になるケースが多いので、注意してください。
収益不動産の相続
収益不動産を相続するということは、家主さんの立場を継承することになりますので、家賃収入を得ることができますが、その反面、修繕義務や税金負担など、家主さんの義務も継承することになります。
収益不動産の建築費や購入費のローンが残っていれば、そのローンも継承することになります。
家賃収入は大きな魅力ですが、不動産投資のオーナーになるということなので、リスクもあるということをしっかりと念頭において、不動産を相続しなくてはなりません。
こちらも、できれば共有は避けたほうがよいです。
故人の死亡から遺産分割協議が整うまでの家賃収入のゆくえ
遺産分割協議で、相続人の一人が相続することに決まっても、故人の死亡から遺産分割協議確定までのあいだの家賃収入は、全相続人の共有となり、法定相続分のとおりに分配されます。(最高裁判例平成17.9.8)
不動産を共有にするデメリット
不動産を共有している状態で、共有者の誰かに不幸があって、その子どもたちがさらに相続するようなことになると、共有関係がますます複雑になります。
また、老朽して修繕するにも、取り壊して建て替えるにも、売却するにしても、共有者全員 (共有者が亡くなっているときはその相続人も全員)の承諾が必要になります。
これは思っている以上にトラブルを生みます。
兄弟姉妹で共有しているときに、共有者の一人が死亡すると、その共有者の子が代わって共有者の地位になりますし、共有者の子が先に亡くなっていてさらにその子がいるときは、亡くなった共有者から見れば孫にあたるような子が、共有者の地位になるのです。
そのような状態でいざ売却や、共有物分割をしようとすると、その全員の承諾が必要になり、共有者が未成年であれば特別代理人の選任が必要なときもあります。
近々売却するし、そうすぐに兄弟姉妹が死ぬこともないだろう、と思っていても、売却がなかなか進まなかったり、突然の不幸というものは予期せずやってくるものです。 また、いったん成立した共有関係を解消しようとしても、通常、いくらかの現金が必要になりますし、無償で名義を移した場合は贈与税の対象になりますので、なかなか難しく、いつまでも共有のままになってしまいます。
不動産の相続手続き【完全代行】サービス
当センターでは、複雑な戸籍の収集から、遺産分割協議書の作成、全相続人様の署名捺印をいただくためのお手配等を、すべて代行いたします。
専任の司法書士が登記申請もおこない、代表相続人様には、新しく発行される権利証をご受領いただきます。
また、不動産をどのように分割、相続すればよいか、また、ご相続後のご売却や、故人が残された遺品整理などにつきましても、サポートと代行手配をおこないますので、お気軽にご相談ください。
当センターでは、宅建主任者の資格と不動産コンサルタントの資格を保有する、法務と不動産に強い行政書士が、ご依頼者様のご担当をさせていただきます。
相続された不動産の売却、遺品整理まで対応します
今は空き家となってしまった不動産を相続しても、その用途に困ってしまうケースも増加しています。
売却して換金するにしても、不動産に詳しくなかったり、信用できる不動産会社が身近にいないときなどは、どこに相談するかも困ってしまいます。
当センターでは、不動産仲介業もおこなっておりますので、相続不動産の売却のご相談にも対応させていただきます。
また、使わなくなった大型家具や衣類なども、処分が大変ですが、こちらも遺品整理の専門業者をお手配し、すべての整理をおこないます。
安心してご相談ください。
不動産の相続手続き【完全代行】 料金表
サービス内容
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料 金
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不動産の相続手続き【完全代行】
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遺産相続すべておまかせパック(30万円~)に含まれます。
不動産の数に応じ3万円から10万円(最大)の司法書士手数料が別途かかります。 |
- 必要となる戸籍等の収集から名義変更の完了まで、すべてのお手配を代行します。
- 故人の出生から死亡までの戸籍謄本一式の収集代行
- 相続人の戸籍謄本・住民票・固定資産税評価証明書など必要書類の収集代行
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- 遺言書の検認手続き、相続不動産のご売却、家財一式の遺品整理サービス等もご相談ください。
- 相続人の間で争いや意見の違いがあるときは、当サービスをご利用できません。