故人名義のクレジットカードは、家族であっても使用できません。カードが見つかったら、裏面や利用明細で発行会社を確かめ、公式窓口へ死亡の連絡と解約方法の確認を行います。
すべてのカードが判明するまで待つ必要はなく、不明なカードは並行して探すことができます。
解約時に確認したいのは、ポイント・マイル、公共料金などの継続払い、家族カード・ETCカードへの影響です。
電子マネーの残高や、解約後の請求・返金についても、カード会社やサービスごとの確認が必要になります。
この記事では、発行会社への連絡方法と確認事項、カードが見つからない場合の探し方を、手続きの流れに沿って解説します。
※本記事は2026年10月時点の公式案内をもとに作成していますが、お手続きの際は必ず各カード会社の最新の公式案内をご確認ください。
解約前・カード会社への連絡時に確認したいこと
解約に伴う影響は、主に次の4点に分けて確認できます。まず判明しているカードの発行会社へ連絡し、ポイントや継続払いの確認は並行して進めます。
- ポイント・マイル:相続や引継ぎの可否は制度ごとに異なるため、解約前に規約と公式窓口を確認する
- 継続払い:公共料金や通信費、サブスクリプションなどは、各契約先へ解約または支払方法変更を連絡する
- 家族カード・ETCカード:本会員カードと同時に解約となる例があるため、利用者へ共有して発行会社の扱いを確認する
- 電子マネー・付帯保険・優待:残高や終了時点などを確認してからカードを処分する

ポイントは相続・引継ぎできる?
ポイントやマイルを相続・引継ぎできるかは一律ではありません。
JALでは、会員が亡くなった場合、法定相続人が所定の手続きによって有効なマイルを相続できると案内しています。
マイル相続の対象や必要書類、JALカード退会との手続き順序は、JAL公式案内で確認できます。
一方、JCBのJ-POINTでは、会員が死亡した場合、ポイントの付与や特典交換などの権利を失うと規定されています。
J-POINTの相続や死亡時の取扱いは、JCB公式案内で確認できます。
また、カードの解約とポイント・マイルの手続きには、順序が決められている場合があります、
カード会社によっては、亡くなった方がクレジット機能付きカード会員の場合、先にカードを退会してからマイルの相続手続きを行うよう案内しています。
そのため、カードに付くポイント・マイルの名称を確認し、名義人が亡くなった場合の取扱いと、カード解約との手続き順序を最新の規約や公式窓口で確認します。
公共料金やサブスクなどの継続払いはどうなる?
カード会社で解約手続きをしても、公共料金や携帯電話、インターネット、サブスクリプションなどの各契約先に対する手続きは別に必要です。
利用明細や口座の引落履歴から支払先を確認し、契約を終えるのか、別の支払方法へ変更するのかを各契約先へ連絡します。
カード会社の公式案内には、契約先へ支払方法の変更などを連絡した後も、反映まで一定期間カード払いが続く場合があるとする例があります。
変更後も請求が続く場合は、その契約先へ反映状況を確認します。
公共料金や携帯電話など、カード解約とあわせて確認したい死亡後の手続きは、こちらにまとめています。
家族カード・ETCカードはどうなる?
本会員カードの解約に伴い、付随する家族カードやETCカードも利用できなくなる場合があります。
カード会社の公式案内でも、本会員カードの解約に伴って、家族カードやETCカードなどが同時に解約となる例があります。
ただし、すべてのカード会社で同じ取扱いとは限りません。
家族カードやETCカードを利用している人がいる場合は、利用できなくなる可能性を早めに共有します。そのうえで、発行会社へ停止時期や必要な手続きを確認します。
引き続きカードが必要な場合は、利用者本人が新たに申し込む必要があるかも発行会社の案内を確認します。
電子マネー・付帯保険・優待も確認する
カードに電子マネー機能が付いている場合は、カードを返却・処分する前に、残高と名義人が亡くなった場合の取扱いを確認します。
電子マネーは、商品によって返金・払戻しの可否や必要な手続きが異なります。
カード会社の死亡時の案内でも、電子マネーの種類によって、返金できるもの、窓口での手続きが必要なもの、返金できないものなど取扱いが分かれています。
そのため、残高がある場合も自己判断で利用したりカードを処分したりせず、発行会社や電子マネーの運営者へ、返金・払戻しの可否と必要な手続きを確認します。
付帯保険や優待についても、利用の有無と終了時点を確認します。
補償が解約後も続く、または返金を受けられるとは一律に判断せず、対象カードの公式案内に従います。
故人のクレジットカードを解約する流れ
故人名義のクレジットカードは、判明している発行会社から死亡の連絡と解約手続きを進めます。
基本的な流れは次のとおりです。
- 手元のカードや利用明細から、カードの発行会社を確認する
- 発行会社の公式な死亡時の案内または公式窓口へ連絡する
- 必要書類、ポイントや付帯カードの扱い、カードの返却・処分方法を確認する
- 案内された手続きを行い、受付状況や残っている請求・手続きを記録する

カードや発行会社が分からないものについては、手元の資料や信用情報開示などを利用して別に調べます。
すべてのカードを特定してから連絡する必要はなく、判明している発行会社への連絡と並行して進めます。
故人が契約していたカードと発行会社を確認する
手元にカードがある場合は、カードの表面にある名称だけでなく、裏面などに記載された発行会社を確認します。
Visa、Mastercard、JCBなどのロゴは国際ブランドを示すもので、実際の発行会社とは異なる場合があります。
たとえば、JCBのロゴがあるカードでも、株式会社ジェーシービーやJCBグループ会社ではなく、パートナーカード発行会社が発行している場合があります。
JCBブランドのカードで発行会社を確認する方法は、JCB公式の「JCBカードの発行会社を教えてください」で案内されています。
カードの裏面や利用明細に記載された発行会社が分かったら、その会社の公式サイトで「契約者が亡くなった場合」「死亡時の解約」などの案内を探します。
カードが手元になくても発行会社に心当たりがある場合は、その会社の公式サイトにある「カードが手元にない場合」の案内や公式窓口を確認します。
カード会社の公式窓口へ連絡する
発行会社の公式サイトにある死亡時の解約案内、またはカード裏面や公式サイトに記載された窓口へ連絡し、契約者が亡くなったことと解約を希望していることを伝えましょう。
手続きできる人の範囲や連絡方法はカード会社によって異なります。連絡者と故人との続柄を伝え、誰が手続きできるかも確認が必要です。
連絡前には、可能な範囲で次の情報を手元に用意します。
- カードまたは利用明細
- 故人の氏名・生年月日・死亡年月日
- 登録していた住所や電話番号
- 連絡者の氏名・続柄・電話番号

これらはカード会社の案内例であり、実際に必要となる情報は会社ごとに異なります。
連絡時は、必要に応じて次の項目について案内を受けます。
- ポイント・マイル・電子マネーの扱い
- 家族カード・ETCカードの停止時期
- 継続払いで必要となる対応
- 未払い・未計上の利用分や返金の有無
- 必要書類とカードの返却・処分方法
- スマートフォンの決済サービスに登録したカード情報の扱い
連絡日、窓口、案内された内容、残っている手続きを記録しておくと、途中から再開しやすくなります。
必要書類とカードの返却・処分方法を確認する
死亡による解約では、故人の死亡や連絡者との関係を確認できる公的書面の写しなどを求められる場合があります。
たとえば、JCBの案内では、戸籍謄本、住民票の除票、死亡診断書などの写しを求める場合があるとされています。
ただし、必要書類はカード会社ごとに異なります。先に窓口で、書類の名称、原本と写しの別、発行期限、返却の有無を確認します。
カードについても、返却するのか、裁断して処分するのかを発行会社へ確認します。
電子マネーや定期券などが付いているカードは、解約前に別の手続きが必要となる場合があります。
連絡前に捨てたり残高を使用したりせず、発行会社やサービス運営者の案内に従います。
手続き後は、解約が受け付けられたか、完了の連絡があるか、未払いの請求や返却物が残っていないかを確認します。
カードや発行会社が分からないときの探し方
カードが見つからないときは、利用明細、郵便物、請求メール、口座の引落履歴などから、カード会社名や請求元を確認します。
家族が利用状況を把握している場合は、その情報も手掛かりになります。
それでも不明な契約がある場合は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターによる故人の信用情報開示を補助的に検討できます。
故人の信用情報開示を申し込める人や必要書類は、CICの亡くなった家族の情報開示、JICCの死亡者情報開示案内、全国銀行個人信用情報センターの郵送開示案内で確認できます。
参考:JICC:法定相続人のほか、二親等以内の血族などによる開示
参考:全国銀行個人信用情報センター:法定相続人またはその法定代理人による開示
各機関で、開示できる情報、申込みができる人、必要書類が異なります。
また、それぞれの機関に登録されている情報だけが開示され、カード会社が死亡を把握した後に登録情報が削除される場合もあります。
そのため、いずれか1機関の信用情報開示だけで、故人のすべてのカードを把握できるとは限りません。
開示結果などから会社名が判明したら、その会社の公式窓口へ死亡の連絡と解約方法の確認を行います。
未払い残高や解約後の請求・返金はどうなる?
カードを解約しても、未払い分や未計上の利用分がなくなるわけではありません。また、解約後に利用取消しや返金が反映される場合もあります。
請求と返金では確認する内容が異なるため、それぞれ分けて説明します。
カード解約後も未払い残高の請求は続く
利用残高があれば、カードの解約後も請求が続く場合があります。
発行会社へ連絡し、次の内容を確認します。
- 現在の利用残高
- まだ明細に反映されていない利用分
- 今後の請求日と支払方法
- 分割払いやリボ払いの今後の扱い
- 解約後の利用明細の確認方法

解約後の残高を従来どおり支払う会社もあれば、一括払いなど別の方法を案内する会社もあります。支払方法は、発行会社と契約内容によって異なります。
引落口座が凍結されているなど、通常どおりの引き落としができない場合は、その事情を発行会社へ伝え、支払方法について案内を受けます。
支払額や支払方法は発行会社へ確認できますが、誰が債務を負担するかは相続上の判断となります。
相続放棄を検討している場合は、実際に支払う前に後述の注意点を確認します。
利用取消しや返金がある場合の確認事項
商品の返品やサービスの取消しなどにより返金が見込まれる場合は、発行会社へ次の内容を確認します。
- 利用取消しが反映されているか
- 返金される金額と時期
- 請求額との相殺になるか
- 返金先と受取方法
カードを解約した後は、利用取消しの反映や返金までに時間がかかる場合があります。
また、引落口座が凍結されている場合などは、故人名義の口座へ通常どおり返金できるとは限りません。
返金方法は発行会社へ確認し、誰が返金を受け取るかについて相続上の判断が必要な場合は、専門家へ確認します。
相続放棄を検討している場合の注意点
相続放棄を検討している場合は、カード会社への死亡連絡や利用残高の確認と、実際にカード債務を支払うことを分けて考える必要があります。
カード債務は支払う前に専門家へ相談する
相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認をしたものとみなされ、相続放棄が認められない場合があります。
カード債務の支払いについても、故人の預貯金など相続財産から支払うのか、相続人が自分のお金から立て替えるのかなど、具体的な事情によって判断が異なります。
カード債務を支払う前に、請求書や利用明細に加え、支払元として予定している口座や資金が分かる資料を示して弁護士などへ相談します。
すでに支払っている場合も、それだけで相続放棄ができないと自己判断せず、支払日、金額、支払元などを整理して専門家へ確認します。
手続きの途中で迷ったときの確認先
どこに確認すればよいか迷った場合は、困っている内容に応じて確認先を分けます。
| 困っている内容 | 最初の確認先 | 主に確認できること |
| カードの解約方法、ポイント、家族カード・ETCカード、未払い・返金 | 発行会社の公式窓口 | 死亡時の解約手続き、付帯サービスの扱い、利用残高、必要書類 |
| 公共料金、通信費、サブスクリプションなどの契約・支払方法 | 各契約先 | 契約の解約・名義変更、支払方法の変更、変更の反映時期 |
| カードや発行会社が分からない | 手元の明細・郵便物・口座履歴。必要に応じて信用情報機関 | 発行会社や登録されている契約を探すための手掛かり |
| 相続放棄の期限、申述先、必要書類 | 家庭裁判所または裁判所の公式サイト | 相続放棄や期間伸長の手続き |
| カード債務を誰が負担するか、支払いが相続放棄へ影響するか | 弁護士など | 個別事情に応じた法的判断 |
| クレジットに関する相談先が分からない | 日本クレジット協会の消費者相談室 | クレジットに関する基本的な説明や適切な相談先の案内 |

信用情報開示を利用する場合は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの公式案内で、申込みができる人と必要書類を確認します。
日本クレジット協会の消費者相談室は相談先の案内などを行いますが、カード会社との間に入って和解やあっせんを行う機関ではありません。
故人のクレジットカードは判明したものから解約手続きを進める
故人名義のクレジットカードが見つかった場合は、家族であっても使用せず、カードの裏面や利用明細から発行会社を確かめましょう。
すべてのカードが判明するまで待つ必要はなく、分かっている発行会社から公式窓口へ連絡します。
不明なカードは、利用明細や口座履歴、必要に応じた信用情報開示から探すことができます。
発行会社へ連絡する際は、ポイント・マイル、家族カード・ETCカード、電子マネー、付帯保険・優待などの扱いに加え、必要書類やカードの返却・処分方法について案内を受けます。
解約後にも、未払い・未計上の利用分が請求されたり、利用取消しによる返金が行われたりすることがあります。
今後の請求・返金と残っている手続きを分けて記録しておくと、次に対応する内容が分かりやすくなります。

