故人に子がいない、ご両親も他界しているときは、故人の兄弟姉妹が相続人となります。
相続人を確定させるために、
- 故人の出生から死亡までの戸籍謄本
- ご両親の出生から死亡までの戸籍謄本
- ご兄弟に亡くなっている方がいるときは、その方の出生から死亡までの戸籍謄本
- ご相続人となるご兄弟の現在戸籍謄本
以上の戸籍謄本を各本籍地の役所へ請求し、準備しなくてはなりません。
ここで問題になるのが、ご相続人となる兄弟姉妹の現在の戸籍謄本です。
直接連絡が取れるご関係であれば、お願いして、取ってもらうことができますが、なかなかお願いしにくいご関係のときは、どうすれば良いのでしょうか。
原則、戸籍謄本は本人しか取得できない
本人ならびに同一戸籍の親族であれば、無条件に取得が可能です。
直系の父母、祖父母、曽祖父母、子、孫、、なども、原則、取得が可能です。
しかし、傍系親族である、兄弟姉妹、いとこ、叔父、叔母などについては、勝手に戸籍謄本を取得することはできません。
本籍地まで出向いて、事情を説明し、兄弟姉妹などの戸籍謄本を請求しても、
発行してもらえませんので、本人からの委任状を準備する必要があります。
正当な理由を説明し、役所が了承してくれれば、委任状がなくても発行してもらえることもありますが、
遺産相続手続きに必要だからという理由では、発行してもらえないケースが多いようです。
委任状の記載方法
市区町村にもよりますが、委任状の形式は問われないことが多いので、私の戸籍謄本等の請求、取得に関する権限を委任する、と記載し、
委任者欄ご本人の署名と押印、受任者(代理人)欄に窓口へ行かれる方(相続人代表者)の住所氏名を記載すれば、相続人代表者が戸籍を取得することが可能です。
各市区町村のホームページにも、委任状が用意されていることが多いです。
弁護士や司法書士、行政書士などは、職権で請求が可能です
弁護士、司法書士などは、その職務に必要であるという正当な理由があれば、本人の委任状がなくても戸籍謄本の取得が可能です。
相続関係を確定させるためというのは、戸籍謄本取得の正当な理由となりますため、
ご相続人のおひとりからご委任をいただければ、上記の専門職は、他ご相続人の委任状がなくても、戸籍謄本を請求、取得できます。
行政書士の場合は、各所属の都道府県行政書士会から、行政書士専用の、戸籍請求用紙を購入することができます。
こちらを使用すれば、ご本人からの委任状がなくても戸籍謄本の取得ができます。
この専用用紙は、過去に不当な身分調査などに使用され、逮捕者が出た事件もございましたため、
今ではその使用方法を厳重に管理、監督されています。
正当な理由なく、資格者が勝手に使用し、戸籍謄本等を取得した場合は、処罰の対象となります。
戸籍が揃ったら、相続関係図を作成し、法務局で法定相続情報を取得する
上記一連の戸籍謄本が揃いましたら、パソコンなどで家系図となる相続関係図を作成します。
法務局ホームページ記載例がありますので、参考にしてください。
管轄の法務局へ申出をおこなう
- 被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票
- 相続人の戸籍謄本
- ご自身で作成した、法定相続情報一覧図(相続関係図)
以上を準備し、管轄の法務局へ申出をおこないます。
-
(1)被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
(2)被相続人の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)被相続人名義の不動産の所在地
法務局から発行法定相続情報証明を取得すれば、公的な親族関係図となりますので、
各銀行の解約手続きや、不動産名義変更などに使用することができます。
かつては、各提出機関ごとに、戸籍謄本の束を用意する必要がありましたが、
そのような負担は軽減されました。