2022.7.12(加筆) 行政書士 阿部 勉

株券

故人は株券を持っていたはずだが、どこの証券会社に口座があるのか分からない、という場合は、証券保管振替機構、通称、『ほふり』で、所有されている株券を調べることができます。

 

 

株券は電子化されました

かつて、株券といえば、紙に印刷された大きなもので、株数に応じた束を金庫にしまっているイメージでした。

しかし、バブル旺盛なころ、株券の取引が盛んになる中で、株券の売却利益を申告しない、脱税の手法が横行しましたため、

国は、株券を電子化し、その取引の透明性を高めました。

現在、紙の株券は存在しません。

株券を保有するには、証券会社の口座でしか、株を保有することはできなくなりました。

 

株券を相続するためには、相続人の証券口座が必須

相続人が証券口座をお持ちでないときは、株券を相続するためだけに、証券口座を作らなくてはなりません。

すぐに売却して換金するとしても、まず口座を開き、相続をします。

その後、売却をしたあとは、カラの口座になりますので、放置するか、閉鎖手続きを取るかになります。

 

故人は株券を持っていたはずだが、どこの証券会社に口座があるのか分からない

証券会社の心当たりがあれば、その支店に確認することで、故人の口座を調べることができます。

しかし、どこの証券会社か分からないとき、ひとつは分かるが他にもあるかもしれないというときは、

株券を統括管理している、『ほふり』で、株券の名寄せのようやものを確認することができます。

 

『ほふり』は、上場企業の株式や、社債などを管理している機関

ほふりに調査依頼をおこなうことで、故人が保有している株券と、それが保管されている証券会社までを、知ることができます。

口座がある証券会社が分かったら、その支店に連絡を取って、具体的な相続手続きを進めます。

(参考)ほふり(証券保管振替機構)ホームページ

 

登録済加入者情報の開示請求

  • 相続人の身分証明書
  • 故人との相続関係を証明する戸籍謄本
  • もしくは、法務局の法定相続情報
  • 故人の住民票、もしくは、戸籍の附票

 
以上を準備し、郵送で、登録済加入者情報の開示請求をおこないます。

受付から2週間程度で、結果が返送されてきますので、そちらで証券口座の情報が確認できましたら、証券会社へ連絡を取り、相続手続きをおこないます。

 

(参考)開示請求の詳しい手順は、証券保管振替機構ホームページ をご確認ください。