遺産を分割する方法は、被相続人(亡くなった人)の遺言によるもの、相続人全員の協議によるもの、家庭裁判所での調停によるもの、の3通りです。

遺言があれば、最優先されます。但し、相続人には遺留分があります。

遺言がなければ、相続人全員で協議します。法定相続分を参考にしますが、全員が同意すれば、どのように分配してもかまいません。ポイントは相続人が全員参加することですので、音信不通の人がいても、何とか連絡を取らなければなりません。未成年者や行方不明者でも、きちんと手続きをしなければ、その者を除いた遺産分割協議は無効になります。

どうしても協議が調わないときは、最後の手段として、家庭裁判所に審判の申し立てをすることができます。

ただし、遺産分割協議とは、相続人が任意でおこなうものであるため、法律をもってしても強要することはできません。相続人が行方不明であったり、未成年者であったりして遺産分割協議に参加できないときは、法律に解決策がありますが、正常な判断のもとに、自分の意思で遺産分割協議に参加しない相続人がいるとき、これを強制する手段はないのです。

また、何度も遺産分割協議を繰り返しても、お互いの意見が対立して合意にいたらないとき、これも強制的に解決することはできません。

日本は法治国家ですから、最後の最後は裁判所に判断をゆだねることになります。

遺産分割を裁判所に持ち込むと、まずは話し合いをすることになります。裁判所の担当者が、中立な立場で双方から事情をきいて、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をし、合意を目指し、話し合いが進められるのです。

話し合いは期日を設定して、年に数回おこなわれます。1年かかって話が振り出しに戻る、なんてことも珍しくありません。

話し合いがまとまらず、遺産分割調停が不成立となって、はじめて通常の裁判手続である、審判に進みます。裁判官が遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、審判をされるのです。

ところで、民事裁判は欠席すると、相手の主張がそのまま認められます。

先の例で、自分の意思で遺産分割に参加しない相続人を引っ張り出すために、調停に持ち込むというのもひとつの方法ではありますが、調停はあくまでも任意の話し合いですので、欠席したからといってただちに敗訴するわけではありませんので注意が必要です。