現在、さまざまな事業者様が、遺産相続手続きの代行をおこなっています。
ここでは、各事業者様の一般的な費用について、説明します。
必ず必要になる6つの実費
どこに依頼しても、ご自身で進めても、必ず必要になるのが、遺産相続手続きにかかる実費です。まずはこちらを確認してください。
①戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、等
除籍謄本1通750円など、枚数が重なると結構な費用になります。
出生までの戸籍、各相続人の現在戸籍は、提出機関から還付を受けられることが多いので、1通ずつでも問題ありません。
印鑑証明書は、還付を受けられないこともありますので、3通くらい取得しておくといいです。
戸籍謄本 | 750円 |
---|---|
住民票 | 300円 |
印鑑登録証明書 | 300円 |
固定資産評価証明書 | 300円 |
上記の一覧表は、あくまでも参考になります。
自治体により料金も変わってくるので、事前に確認をしておくことをおすすめします。
②残高証明書、取引明細書
死亡日現在の残高を確認するために、お取引のあった金融機関で、残高証明書を発行してもらいます。
都度発行と定期発行がありますが、定期発行だと欲しい時に手に入らないこともあるかと思います。
そのような場合は、都度発行してもらいましょう。
インターネットから申請すると手数料無料で発行している金融機関もありますので、確認して発行するといいでしょう。
主な都市銀行の手数料などをまとめましたので、是非ご活用ください。
都度(窓口) | 定期 | インターネット | |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 770円 | 550円 | 無料(和文) |
みずほ銀行 | 880円 | 550円 | ー |
三井住友銀行 | 880円 | 440円 | 880円 |
りそな銀行 | 880円/ 2,200円※1 |
440円 | 無料 |
※2025年2月の手数料
※1お客さま指定書式の残高証明書(相続財産にかかる証明書等)
通帳を紛失したときなどは、取引明細書を発行してもらうことで、過去数年分の入出金履歴を確認することができます。
期間 | 手数料 | インターネット | |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 最長10年 | 330円/1ヶ月 | 無料 |
みずほ銀行 | 最長10年 | 330円/1ヶ月 | ー |
三井住友銀行 | 最長10年 | 5年以内:1,100円/1年 5年超:5年分(5,500円)+550円/1ヶ月 |
ー |
りそな銀行 | 最長10年 | 220円/1ヶ月 | ー |
※2025年2月の手数料
③登記事項証明書、地積測量図、建物図面、等
相続不動産の詳細を確認するために、現在の登記内容を確認します。
登記事項証明書 | 地積測量図や建物図面 | |
---|---|---|
窓口申請 | 600円 | 450円 |
オンライン申請・郵送 | 500円 | 450円 |
オンライン申請・窓口 | 480円 | 430円 |
④登録免許税
不動産評価額の0.4%が、名義変更にかかる税金として必要になります。
例えば、不動産の評価額が350万6,500円の場合、1,000円未満は切り捨てられるため、課税価格は350万6,000円です。
350万6,000円×0.4%=1万4,024円なので、登録免許税は1万4,024円となります。
⑤未払いの税金、公共料金、等
死亡後に支払い請求が届いたり、生前に未納であったりした税金や公共料金、クレジットカード代金などは、相続人に支払い義務がありますので、支払いをしなくてはなりません。
⑥送料、交通費等
各機関に手続きするためにかかる郵送料、移動のための交通費など
不動産相続登記にかかる司法書士費用
故人が不動産を所有しているときは、相続人に名義変更します。
法務局へ行けば、担当の方が詳しく教えてくれますので、ご自身で書類を作成して、手続きを進めることも可能ですが、かなりの専門知識や、準備する書類がありますので、司法書士さんに依頼されるのが一般的です。
※他人の依頼を受けて登記をおこなうことは、司法書士にしかできません。
ご自宅の相続登記(10〜15 万円)
5万円くらいから対応してもらえる事務所もあるようです。
料金には、戸籍収集、遺産分割協議書作成などの費用を含む場合と、別途必要になる場合とがあります。
登録免許税などの実費は別途必要です。
抵当権の抹消登記(1〜3 万円)
団信の適用で住宅ローンがなくなるときや、完済した住宅ローンの抵当権だけが残っているときは、これを抹消する手続きをおこないます。
田畑、山林、ビル、集合住宅などの相続登記
不動産のボリューム、件数などにより、個別見積もりとなる場合が多いです。
相続税の申告にかかる税理士費用
故人の遺産総額が、相続税の基礎控除額を超えるときは、相続税の申告が必要になります。
税務署へ行けば、担当の方が詳しく教えてくれますので、ご自身で書類を作成して、手続きを進めることも可能ですが、かなりの専門知識や、準備する書類がありますので、税理士さんに依頼されるのが一般的です。
※他人の依頼を受けて税務申告をおこなうことは、税理士にしかできません。
相続税申告費用(20万円~)
故人が残された遺産の総額や、計算の複雑さ、相続人の数、申告期限までの日数などにより上下します。
1億円以上のご資産を残されている場合は、税理士費用が100万円を超えることもあります。
遺産総額の1〜2%くらいが目安です。
亡くなってから10ヶ月以内の申告が必要になります。
準確定申告費用(5~15万円)
毎年の確定申告や、生前に売却した不動産があるときなどは、亡くなってから4ヶ月以内の申告が必要になります。
相続税はかかるのか?~遺産相続にかかる税金と確定申告について
遺族年金の申請にかかる社会保険労務士の費用
遺族年金の申請(3~5万円)
亡くなった方が厚生年金を受給されていたときに、残された配偶者などが遺族年金を受給できる場合があります。
国民年金の遺族年金は、18歳未満の子がいるときに、受給できる場合があります。
参照:遺族年金
未支給年金の申請(3〜5万円)
亡くなられた方が、本来受給するはずであった年金を、ご遺族の方が代わりに受給できる場合があります。
銀行手続きにかかる行政書士、司法書士の費用
銀行口座の解約(3~10万円)
1口座、または、1金融機関あたりの費用。
料金には、戸籍収集、遺産分割協議書作成などの、費用を含む場合と、別途必要になる場合とがあります。
遺産相続すべて代行にかかる行政書士、司法書士の費用
銀行解約、不動産名義変更などすべて(20万円~)
何を、どのように、どこまで対応するかによって、各事業所により料金が異なります。
信託銀行なども、以前は一律で最低料金が100万円〜などでしたが、近年は顧客ニーズにあわせ、対応を簡素化することで、価格を下げている機関もあります。
信託銀行などに依頼したときの、銀行の費用
遺産整理業務(110万円~)
遺産総額に応じ、費用が加算されます。
最低価格を110万円としている金融機関が多いですが、近年は、非対面かつ手続き数を制限することで、低価格を実施している金融機関もあります。
遺産相続すべてを弁護士さんに依頼したときの、弁護士の費用
相談料
無料〜30分5,000円
報酬金
事件の経済的な利益の額により費用が変動するのが一般的です。
・300万円以下の場合:経済的利益の 8%
・300万円を超え、3,000万円以下の場合:10%+18 万円
・3,000万円を超え、3億円以下の場合:6%+138 万円
・3億円を超える場合:4%+738 万円
上記は、かつて日本弁護士連合会が定めていた報酬基準で、平成16年に廃止されましたが、今も多くの事務所さまが、上記基準を参考にされています。
別途、着手金が必要になることが一般的です。